【ビットコイン週次ニュース 6/15-21】BlackRockのBTC大量保有が判明、米上院は初の暗号資産法案を可決
2025年6月15日から21日にかけての1週間は、ビットコイン(BTC)にとって歴史的な出来事が相次ぎました。世界最大の資産運用会社ブラックロックによるビットコインの大量保有が明らかになる一方、米国では初の包括的な暗号資産規制法案が上院を通過。この記事では、機関投資家の本格参入と規制整備の進展が交錯する、ビットコイン市場の最新動向を詳しく解説します。
- BlackRock、ビットコイン発行済み総量の3.25%を保有と判明
- 米上院、初の暗号資産関連法案「安定コイン規制法 (GENIUS法)」を可決
- JPMorganの商標出願やXRP ETFのニュースを受け、BTCが10万8,000ドル台に迫る
- ビットコイン急落、一時10万3,000ドル割れでロングポジションが大量清算
- 企業による「ビットコイン財務戦略」ブームが加速
- FRB金利据え置き、戦争リスク下でもBTCは10万ドルを堅持
- 米SEC、アルトコインETFも承認間近か?
- 著名な金投資家ピーター・シフ氏、「ビットコインの価値は認める」と発言
- 中小企業もビットコイン取得計画、Semler Scientific社の野心
- 北朝鮮ハッカー集団、巧妙な手口で暗号資産企業を標的に
- 参考文献:引用文献
BlackRock、ビットコイン発行済み総量の3.25%を保有と判明
世界最大の資産運用会社であるBlackRock社が、自社で運用するビットコイン現物ETF(上場投資信託)を通じて、ビットコイン発行済み総量の3.25%超にあたる約66万8,000 BTC(評価額約697億ドル)を保有していることが明らかになりました。 1 これは、米国で提供されている全ての現物BTC ETFが保有するビットコインの半数以上(54.7%)を占める、圧倒的な規模です。 3
2024年1月に米国で現物BTC ETFが承認されて以来、BlackRockは積極的にビットコインを買い増ししています。このような機関投資家による大量購入は、市場に流通するビットコインの供給量を減少させるため、今後の価格上昇圧力につながる可能性があると指摘されています。
このニュースに対し、投資家の間では「機関投資家の本格参入を示す強気材料だ」と歓迎する声がある一方で、「特定企業による供給量の掌握は、ビットコインの中央集権化につながる」と懸念する意見も見られました。 7
米上院、初の暗号資産関連法案「安定コイン規制法 (GENIUS法)」を可決
(2025年6月17日)
米国の上院で、暗号資産関連では初となる包括的な法案「安定コイン規制法(GENIUS法)」が、賛成68票・反対30票という超党派の支持を得て可決されました。 11
この法案は、米ドルなどに価値が連動するステーブルコインの発行者に対し、1対1の準備資産保有や情報開示を義務付けるなど、厳格な規制を定めるものです。 13 この法案の成立は、米国のデジタル資産産業に法的な明確性をもたらす歴史的な一歩として、業界から歓迎されています。 19
JPMorganの商標出願やXRP ETFのニュースを受け、BTCが10万8,000ドル台に迫る
(6月16日)
週明けの月曜日、ビットコイン価格は一時3.1%高の約10万8,600ドルまで上昇し、約1か月ぶりに過去最高値に迫る水準となりました。 23
この上昇の背景には、米銀大手JPMorganが包括的な暗号資産サービスの提供を示唆する商標を出願したことや、カナダでXRP(リップル)の現物ETFが上場予定であるとのニュースがあります。こうした伝統的な金融機関による暗号資産市場への参入拡大を示す材料が、投資家心理を強気に傾けました。
ビットコイン急落、一時10万3,000ドル割れでロングポジションが大量清算
(6月20日)
6月20日の夜、ビットコイン価格は数時間で約10万6,500ドルから10万3,000ドルを割り込む急落を見せました。 29 この急変動により、暗号資産市場全体で約4.5億ドル相当のポジションが強制的に清算(ロスカット)され、その大半(約87%)が価格上昇を見込んだロングポジションでした。 34
この日の下落は、特段の外部材料がない中でのテクニカルな売りが連鎖したもので、市場内の過熱したポジションが一掃された形です。SNS上では「健全な調整」と前向きに捉える声と、「さらなる下落への警戒」を呼びかける声が交錯しました。
企業による「ビットコイン財務戦略」ブームが加速
企業の準備資産としてビットコインを保有する「ビットコイン・トレジャリー戦略」が、一般の事業会社の間で急増しています。スタンダードチャータード銀行の報告によると、2025年6月時点で少なくとも61社の上場企業がビットコインを保有しており、この2ヶ月でその保有量は倍増したとのことです。 41
この動きは、トランプ前大統領が創業した企業がビットコイン投資計画を発表したことや、米国政府が「戦略的BTC準備金」の創設方針を示したことなど、政策的な要因にも後押しされています。 51 企業から国家レベルまで広がるこの動きは、ビットコインが「デジタルゴールド」として新たな価値保存手段として認知され始めていることを象徴しています。
FRB金利据え置き、戦争リスク下でもBTCは10万ドルを堅持
(6月19日)
6月19日、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を現行水準で据え置くことを決定しました。市場の予想通りだったこともあり、ビットコイン相場に大きな動揺は見られませんでした。 55
実際、ビットコイン価格は42日間以上にわたり10万ドルの心理的節目を割り込んでおらず、底堅さを見せています。中東での軍事衝突激化という地政学リスクが高まる中でも10万ドル台を維持したことは、市場に安心感をもたらしました。これは、前述の企業や機関投資家による長期的な買い支えが背景にあると指摘されています。
米SEC、アルトコインETFも承認間近か?
ビットコインに続き、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)の現物ETFについても、米SECが承認に前向きであるとの観測が高まっています。ブルームバーグの報道によると、XRP(リップル)、SOL(ソラナ)、DOGE(ドージコイン)といった主要アルトコインの現物ETFについて、「承認確率は極めて高い」と伝えられています。 64
これが実現すれば、暗号資産市場へのさらなる資金流入と市場の成熟につながる一方、規制当局の監視がより一層厳しくなる可能性もあり、市場はその行方を固唾をのんで見守っています。
著名な金投資家ピーター・シフ氏、「ビットコインの価値は認める」と発言
長年ビットコインに批判的だった著名な金投資家、ピーター・シフ氏が、6月20日のSNS投稿で「ビットコインのことは分かる(I get Bitcoin)」と発言し、大きな注目を集めました。 65
ただし、シフ氏は米ドルに連動するステーブルコインについては理解できないとし、自身が計画する「金で裏付けされたトークン」を支持する考えを改めて示しました。彼の発言は、伝統的な投資家の間でもデジタル資産への関心が広がっている兆しと受け止められています。
中小企業もビットコイン取得計画、Semler Scientific社の野心
米ナスダックに上場する医療機器企業Semler Scientific社が、「相当量のビットコイン取得を検討」していることが報じられ、同社の株価は一時12%近く急騰しました。 71
大企業だけでなく、こうした中小規模の上場企業までもがビットコインを準備資産として保有する流れは、暗号資産市場と株式市場の境界がますます曖昧になっていることを示しています。
北朝鮮ハッカー集団、巧妙な手口で暗号資産企業を標的に
6月20日の報道によると、北朝鮮と関連があるとされるハッカー集団が、ブロックチェーン企業の従業員を狙った高度なマルウェア攻撃を仕掛けていることが明らかになりました。 73
偽の求人応募を装ってマルウェアを仕込み、PC内の認証情報を盗み出すという巧妙な手口です。この報告は、国家が関与するサイバー犯罪が依然として活発であることを示しており、暗号資産業界全体でセキュリティ対策の重要性が改めて叫ばれています。
参考文献:引用文献
- 新しいビットコインキャピタルが枯渇する中、ブラックロックETFがBTC供給の3.25%を購入 (Cointelegraph)
- ブラックロック、静かにビットコイン供給の3.25%以上を蓄積-それが暗号資産の未来に何を意味するのか (CryptoNinjas)
- 最新の#blackrockニュース、意見、今日のフィード | Binance Square (Binance Square)
- 米上院、ステーブルコインを規制するGENIUS法を可決、暗号資産業界の勝利を示す (CoinDesk)
- ビットコイン、XRPニュース:JPMorganの暗号資産申請でBTCが10万8000ドル超え、XRPはETFニュースで上昇 (CoinDesk)
- BTC、ETH、DOGE、ADAニュース:ビットコインが10万3000ドルを下回り、清算の波を誘発 (CoinDesk)
- 地政学的緊張の中、BTC清算が急増しビットコインは10万3000ドルを下回る (Coinfomania)
- Crypto Daybook Americas:ビットコインはFRB、中東戦争をものともせず、しかしデリバティブは警告を発する (CoinDesk)
- ビットコイン財務戦略とは何か、公開市場における最新のトレンドは? (Reuters)
- ビットコイン2025 – 世界的な暗号資産採用の転換点 (Brave New Coin)
- FRBのウォーラーが7月の利下げを呼びかける中、ビットコインは持ちこたえる (Decrypt)
- ビットコイントレーダーが水曜日のFRB会合で注目しているのはこれだ (CoinDesk)
- ピーター・シフ氏、「ビットコインは分かる」が米ドル連動のステーブルコインは分からないと述べ、金裏付けトークン計画を提案 (CoinDesk)
- 北朝鮮のハッカー、求人応募に隠されたマルウェアでトップ暗号資産企業を標的に (CoinDesk)
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