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イーサリアム(ETH) 主要ニュースまとめ【2025年6月15日から21日】

【イーサリアム週次ニュース 6/15-21】BlackRockの巨額購入判明、米上院はステーブルコイン法案可決

2025年6月15日から21日にかけての1週間、イーサリアム(ETH)を取り巻く環境は、機関投資家の本格参入と規制整備の大きな進展によって、歴史的な転換点を迎えました。世界最大の資産運用会社BlackRockによる巨額の買い増しが明らかになる一方、米国では初の包括的なステーブルコイン規制法案が上院を通過。この記事では、イーサリアムの未来を占う上で重要な最新ニュースを、初心者にも分かりやすく解説します。

BlackRockの巨額ETH購入で市場は強気に

世界最大の資産運用会社であるBlackRockが、6月に7.5億ドル相当(約1000億円以上)のイーサリアム(ETH)を密かに買い増ししていたことが、ブロックチェーン分析企業Arkhamの解析により明らかになりました。 1

BlackRockは6月中、一度もETHを売却しておらず、このニュースは「ETHはついにBTCに追いつくのか?」といった声をコミュニティで巻き起こし、市場は強気ムードに包まれています。 2 専門家は「BlackRockの参入でEthereumへの機関投資が本格化している」と見ており、今後の価格上昇への期待感が高まっています。 3

米上院、ステーブルコイン規制法案「GENIUS Act」を可決

(6月17日)
米国上院は、超党派の支持を得てステーブルコイン(米ドルなどの法定通貨に価値が連動する暗号資産)の規制法案「GENIUS Act」を賛成68票・反対30票で可決しました。 6

この法案は、ドル連動型ステーブルコインに明確な法的枠組みを与えるもので、業界にとって大きな前進です。法案が成立すれば、イーサリアムネットワーク上で発行されているUSDTやUSDCといった主要ステーブルコインの信頼性が向上し、さらなる普及が期待されます。米財務省高官も、この法案がステーブルコイン市場の健全な成長を後押しするとの期待を表明しています。

JPMorgan、イーサリアムL2「Base」で独自デジタル預金通貨を試験導入

米国の最大手銀行であるJPMorgan Chaseは、Coinbaseが構築したイーサリアムのレイヤー2(L2)ネットワーク「Base」上で、ドル建てのデジタル預金トークン「JPMD」の試験的な運用を開始しました。 9

この預金トークンは、顧客の銀行預金を裏付けとするデジタル資産であり、企業間決済や国際送金を24時間リアルタイムで行えるようにすることを目指しています。伝統的な大手銀行が、イーサリアムのようなパブリックブロックチェーンを本格的に活用する第一歩として、市場から大きな注目を集めています。 15

ETH投資商品への資金流入が過去最大級に

機関投資家からイーサリアムへの資金流入が加速しています。6月上旬からの3週間足らずで、合計12億5千万ドルを超える資金がETH関連のETF(上場投資信託)に流入しました。これは2017年以来の大規模な資金流入となります。 16

この旺盛な需要は、機関投資家がETHを「次の有望な資産」と位置づけ、戦略的に買い増しを進めていることを示しています。 17 19

クジラと機関投資家がETHを静かに大量取得

オンチェーン分析(ブロックチェーン上のデータ分析)によると、「クジラ」と呼ばれる大口投資家によるETHの静かな買い集めが進行中です。1,000から100,000 ETHを保有するウォレット群は、過去30日間で約149万ETHを新たに蓄積しました。一方で、個人投資家は利益確定売りを進めており、「クジラ買い・リテール売り」という対照的な構図が鮮明になっています。この大口投資家による買い集めは、将来の価格上昇を見越した動きとして注目されています。 23

ステーキング盛況と「ETHステーキングETF」審査への期待

イーサリアムのステーキング(ネットワークに資産を預け入れて報酬を得る仕組み)も好調で、流通しているETHの約29%がステーキングされるという過去最高水準に達しています。ステーキングされたETHは市場からロックアップされるため、価格への上昇圧力となります。

さらに、米国の資産運用会社Bitwiseが申請している「イーサリアム・ステーキングETF」への関心も高まっています。このETFが承認されれば、機関投資家が規制下でETHのステーキング利回りを得られる初の手段となります。次の審査期限は7月4日に設定されており、市場では承認への期待が一部で高まっています。 28

JPMorganとSECが資本市場のオンチェーン化を協議

(6月18日)
JPMorganの幹部が米SEC(証券取引委員会)の担当者と会合を持ち、伝統的な資本市場の取引をブロックチェーン上に移行する可能性について協議したことが明らかになりました。 30 大手銀行と規制当局がブロックチェーンの実用化を本格的に協議したことは象徴的な出来事であり、金融インフラがイーサリアムなどに移行していく未来への期待感を高めました。

ドイツ銀行、イーサリアム活用のトークン化基盤「DAMA 2」を発表

ドイツ銀行は6月17日、イーサリアムを活用した資産トークン化基盤「DAMA 2」の概要を発表しました。 34 これは、投資信託などの金融商品を、ブロックチェーン上で簡単に発行・管理できるようにするプラットフォームです。伝統的な金融機関がイーサリアムを基盤として活用する好例として、年内に予定されている実証運用が注目されています。

NFT市場が活況、Immutableがイーサリアム本体を上回る売上高

NFT(非代替性トークン)市場が再び盛り上がりを見せています。6月第2週のNFT売上高は前週比37%増の1億4480万ドルに達しました。 39 中でも、ゲームに特化したイーサリアムのL2である「Immutable X」の売上高が、イーサリアム本体を上回り市場トップに立ちました。これにより、「NFT取引はL2に移行しつつも、基盤としてのイーサリアムの需要は健在」という見方が広がっています。

イーサリアムの大型アップグレード進展:Pectra実装とFusaka計画

イーサリアムのスケーラビリティを飛躍的に向上させる技術的アップグレードも着実に進んでいます。5月にはハードフォーク「Pectra」が実装され、L2ネットワークの手数料が大幅に削減されました。 41

さらに、年末に予定されている次期アップグレード「Fusaka」では、ネットワークの処理能力が秒間10万件に達し、中央集権型のシステムに匹敵する性能を獲得する見込みです。これらの技術的な進歩が、将来のETH価格を押し上げる土台になると市場では期待されています。


参考文献:引用文献

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