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外国為替市場(FX Markets) 主要ニュース【2025年6月16日】

【2025年6月16日】FX市場:中東情勢緊迫でドル買い優勢、主要中銀の政策会合に注目集まる

2025年6月16日の外国為替(FX)市場は、中東での軍事衝突激化を背景に、安全資産とされる米ドルが買われる展開となりました。今週は日米欧の主要な中央銀行が相次いで金融政策会合を開く「スーパーウィーク」を控え、市場は重要な局面を迎えています。この記事では、この日の主要なニュースを分かりやすく解説します。

中東情勢の緊迫化と市場の反応

(2025/06/16 20:21 UTC)
イスラエルによるイランへの攻撃により、両国間の軍事衝突が激化し、地域紛争への拡大が懸念されています。 1 この事態を受け、米軍は空中給油機を欧州へ移動させ、空母を中東へ展開させるなど、軍事的なプレゼンスを強めています。トランプ米大統領はイランの首都テヘランからの即時退避を呼びかけており、米国の軍事行動が差し迫っているとの憶測も広がっています。 3

この紛争は、原油供給への不安を高め、世界的なインフレ再燃のリスクを指摘されています。 4 為替市場では、リスク回避の動きから伝統的に安全資産とされる米ドルが買われ、円やスイスフランに対してドル高が進む場面が見られました。

今週の注目イベント:主要中央銀行の金融政策会合

今週は、日米欧の主要な中央銀行が相次いで金融政策を発表します。市場の注目は、各国の中銀が現在の経済状況や地政学リスクをどう判断し、どのような政策を打ち出すかに集まっています。

米FRB:利上げ停止の公算大

(2025/06/16 20:21 UTC)
米国のFRB(連邦準備制度理事会)は、6月19日(水)に政策金利を発表します。市場では、利上げを一旦休止し、金利を据え置くとの見方が広く織り込まれています。最近の経済指標は景気の減速を示唆する一方で、インフレ圧力の根強さも残っており、据え置き後の声明や記者会見で示される見通しが今後の相場を左右することになりそうです。

日銀:金融緩和策の維持と出口戦略への思惑

(2025/06/16 20:21 UTC)
日本銀行は、6月17日(火)に金融政策決定会合の結果を公表します。現行の金融緩和策(マイナス金利や長短金利操作)は維持されるとの見方が大勢です。市場では、日銀が来年度から保有国債の購入を段階的に縮小する「テーパリング」に踏み切る可能性も指摘されており、その出口戦略に関心が集まっています。

英BoE:利下げ観測下での据え置き予想

(2025/06/16 10:20 UTC)
英国のBoE(イングランド銀行)も6月19日(木)に金融政策を発表します。政策金利は現行の年4.25%に据え置かれる見込みです。英国では景気減速を示す指標が相次いでおり、年内に2回の利下げが行われるとの予測も市場に織り込まれています。一方で、ポンドは対ドルで年初来8%以上上昇しており、ドル安基調がポンド高を後押ししています。

その他欧州中銀の動向

(2025/06/16 20:21 UTC)
今週はスイス、スウェーデン、ノルウェーの中央銀行も政策金利を発表します。スウェーデンでは利下げ観測があるものの、通貨クローナは対ドルで50年ぶりの急騰を見せています。 13 また、スイスでは通貨フラン高の影響で消費者物価が4年ぶりにマイナスに転落しており、SNB(スイス国立銀行)に再びマイナス金利政策へ踏み切るよう圧力が強まっています。

米欧通商摩擦:EU、米の一律関税容認報道を否定

(2025/06/16 16:17 UTC)
米国のトランプ大統領による対欧州連合(EU)関税を巡り、EU側が「米国の全輸入品に対する一律10%の関税を受け入れる用意がある」との報道が出ましたが、欧州委員会はこれを「憶測に過ぎず、現状を反映しない」と即座に否定しました。 15 欧米間の貿易摩擦は、G7首脳会議に合わせて行われる閣僚協議で話し合われる予定で、緊張が高まっています。

ECB副総裁「ユーロ高は大きな懸念材料でない」

(2025/06/16 05:04 UTC)
ECB(欧州中央銀行)のデギンドス副総裁は、最近のユーロ高について「1ユーロ=1.15ドル程度の水準なら、インフレ目標達成の大きな障害にはならない」と述べ、過度な警戒は不要との認識を示しました。 18 ユーロは過去3か月で対ドル11%上昇し、約4年ぶりの高値圏にありますが、副総裁は労働市場の力強さなどから、インフレ率は再び目標の2%近辺に戻ると楽観的な見通しを示しました。

市場の基調:ドル安進行と主要通貨の高騰

(2025/06/13 06:23 UTC)
2025年に入り、米ドルは下落基調が鮮明になっています。複数の主要通貨の価値から算出されるドル指数は3年ぶりの安値圏にあり、米ドルの価値は年初来で約9%低下しています。このドル安を背景に、スウェーデンやノルウェーの通貨は対ドルで約15%という記録的なペースで急騰。ユーロ、円、スイスフランもそれぞれ約10%上昇しており、各国は自国通貨高への対応という新たな課題に直面しています。


参考文献:引用文献

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