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中国 主要ニュース【2025年6月16日】

【2025年6月16日】中国の主要ニュース:習主席が中央アジア歴訪、5月経済指標はまだら模様

2025年6月16日、中国では外交、経済、軍事など多岐にわたる分野で重要な動きがありました。習近平国家主席が中央アジアを訪問して地域での影響力拡大を図る一方、国内ではまだら模様の経済指標が発表されました。この記事では、この日に報じられた中国の主要ニュースを分かりやすく解説します。

習主席がカザフスタン訪問、第2回中国・中央アジアサミット出席

中国の習近平国家主席は、現地時間6月16日にカザフスタンの首都アスタナに到着し、同日開幕した第2回中国・中央アジアサミットに出席しました。 1

習主席はカザフスタンのトカエフ大統領と会談し、貿易や投資、テクノロジーなど多岐にわたる分野での協力文書に署名しました。会談では、中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」の下でのインフラ整備や、テロ対策などの安全保障協力の強化を呼びかけました。中国と中央アジア5か国とのサミットは、地政学的に重要なこの地域における中国の影響力拡大を示すものとして、国際社会から大きな関心を集めています。

中国5月工業生産が減速、消費は予想上回り増加

6月16日に中国国家統計局が発表した5月の主要経済指標は、まだら模様の結果となりました。工業生産は前年同月比で+5.8%の伸びとなり、市場予想を下回って半年ぶりの低い成長率に留まりました。 4

その一方で、小売売上高は前年同月比+6.4%と、市場予想を上回る高い伸びを示しました。製造業の減速は、米国の高関税措置や不動産市場の低迷が重荷となっていることを反映しています。対照的に、5月のメーデー連休などが消費を後押しした形です。世界第2位の経済大国である中国の景気動向は、世界のサプライチェーンや市場に大きな影響を与えるため、今後の動きが注目されます。

不動産市場の下支え策を強調、李強首相「下落に歯止め」

中国の李強首相は、6月13日に開催された国務院常務会議(政府の最高意思決定会議)で、低迷が続く不動産市場の安定化に向けた政策強化を指示しました。 7

会議では、在庫プロジェクトの整理や都市再開発への資金支援強化などが決定されました。李強首相は、市場の下落に歯止めをかけることを目標に掲げつつも、かつてのような過剰な投機バブルを再燃させない「新たな発展モデル」を構築する姿勢を強調しました。不動産市場の安定は中国経済全体に不可欠であり、政府のこの方針は、今後の経済政策の方向性を示す重要な指標となります。

中国軍が南シナ海で巡視、日本・フィリピンの合同訓練に対抗

フィリピン軍と日本の海上自衛隊が6月14日に南シナ海で合同海上訓練を実施したことに対し、中国人民解放軍は15日、同海域で海空合同パトロールを実施したと発表しました。 14

中国南部戦区の報道官は16日、「域外の国がフィリピンと合同パトロールを行い、地域の安全保障リスクを高めている」と述べ、日本を念頭に置いた強い牽制の姿勢を示しました。南シナ海では領有権を巡る緊張が続いており、今回の動きは地域の緊張がさらに高まっていることを示すものです。日本が関与する動きとして、国内でも大きく報じられました。

米国、ベトナムに中国技術の排除を要求 サプライチェーン再編の一環

ロイター通信は6月16日、米国がベトナムとの貿易交渉で、ベトナム製品から中国製のハイテク部品を減らすよう強く要求していると報じました。 17

関係者によると、トランプ政権は高関税の発動を警告しつつ、その回避策として中国への技術依存度を低減するようベトナム側に求めているとのことです。ベトナムは多くの電子機器の生産拠点ですが、現状では中国製部品なしでの生産は困難です。米中の技術覇権争いが、世界のサプライチェーン(製品の生産・流通網)の再編を迫る動きとして、非常に注目されています。

中国外務省、米国のファーウェイ排除計画に猛反発

中国外務省の報道官は6月16日の定例記者会見で、米国がパナマ国内のファーウェイ(Huawei)製通信設備を米国製に置き換えるよう働きかけていることに対し、強く反発しました。 22

報道官は「ラテンアメリカはいかなる国の裏庭でもない」と述べ、「米国は覇権的な態度を改め、経済や技術問題を政治化するのをやめるべきだ」と厳しく批判しました。5Gなどの通信インフラ分野における米中対立が、第三国を巻き込んで激化していることを示すニュースです。

中国、通信詐欺撲滅へ1カ月集中キャンペーンを開始

中国政府は6月16日、急増する通信・インターネット詐欺への対策として、全国一斉の撲滅キャンペーンを開始しました。 27

公安部(警察を管轄する中央官庁)などが合同で展開するこのキャンペーンでは、1ヶ月間にわたり詐欺手口の周知徹底や不正送金の阻止、国際的な詐欺拠点の取り締まりなどが強化されます。通信詐欺は中国国内で深刻な社会問題となっており、政府が本腰を入れて対策に乗り出した形です。

百度(バイドゥ)、AI人材の最大規模採用を開始

中国のIT大手である百度(バイドゥ)は、史上最大規模となるAI人材の採用計画「AIDU計画」を開始したことを発表しました。 28

2026年卒業予定の学生などを対象に、募集ポストは昨年比で60%以上増加。大規模言語モデル(LLM)や自動運転など、最先端のAI分野の人材確保を目指します。百度は「給与は上限なし」と宣言しており、激化するAI人材獲得競争を象徴する動きとして注目されています。

核戦力増強の報告に中国「戦略は自衛的、軍拡競争せず」

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は6月16日、最新の報告書で「中国が最も速いペースで核弾頭を増強している」と分析しました。これに対し、中国外務省の報道官は同日の記者会見で、「中国は自衛的な核戦略を堅持しており、いかなる軍拡競争にも参加しない」と述べ、従来からの立場を改めて強調しました。 32

香港、独立煽動のスマホゲームを摘発

香港警察の国家安全部門は、台湾で開発されたスマートフォン向けゲームが香港独立を煽動しているとして、国家安全維持法(国安法)違反の疑いで取り締まりに乗り出しました。 34

香港政府の高官は「この種の政治的主張を含むゲームは子供も遊ぶため極めて危険だ」と警告。ゲームアプリへの国安法適用は、表現の自由と国家安全のせめぎ合いとして、新たな局面を迎えています。


参考文献:引用文献

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