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ロシア 主要ニュース【2025年6月16日】

【2025年6月16日】ロシア関連ニュース:キーウへ大規模攻撃、中東情勢には停戦要求

2025年6月16日から17日にかけて、ロシアを巡る情勢は緊迫の度を増しています。ウクライナの首都キーウへの大規模な攻撃が行われる一方、中東で激化したイスラエルとイランの軍事衝突に対しては、トルコと共に停戦を要求するなど、複雑な動きを見せています。この記事では、最新のロシア関連ニュースを分かりやすく解説します。

ロシア、ウクライナ兵の遺体6060体を返還

(6月16日)
ロシア政府は、イスタンブールでの人道合意に基づき、これまでに戦死したウクライナ兵6060人の遺体をウクライナ側へ返還したと発表しました。 1 この合意では、捕虜交換や重傷兵の送還も取り決められており、6月9日以降、複数回にわたり交換が実施されています。 2

一方で、ウクライナ側は引き渡された遺体の中にロシア兵のものが混在していたと非難しており、遺体の損傷が激しく身元特定が難航していると述べています。 5

キーウに大規模攻撃、多数の民間人死傷者

(6月17日未明)
ロシア軍は、16日夜から17日未明にかけて、ウクライナ全土に数百機の無人機と数十発のミサイルによる大規模な攻撃を実施しました。 6

首都キーウでは、市内の住宅ビルなどが被害を受け、少なくとも15人が死亡、数十人が負傷しました。キーウ市長は「首都への攻撃として戦争で最も苛烈な破壊の一つだ」と強く非難しています。 7 これに対しロシア国防省は、ウクライナ軍の指揮所や兵器庫など156か所に「高精度攻撃」を行ったと主張しています。

ウクライナ無人機がロシア領内を連続攻撃

(6月16日夜)
ウクライナ軍は16日夜、ロシア西部のベルゴロド州に対し、大規模なドローン攻撃を行いました。ロシア国防省によると、約3時間半で51機の無人機が撃墜されたとのことです。 8

一部のドローンは住宅地にも飛来し、地元知事は女性1人が負傷したと報告しています。 9 ここ数週間、ロシア領内へのドローン攻撃は頻発しており、双方による越境攻撃がエスカレートしています。 10

中東の軍事衝突にロシアとトルコが即時停戦を要求

(6月16日)
中東でイスラエルとイランの軍事衝突が激化していることを受け、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は16日に電話会談を行いました。両首脳は、イスラエルによる対イラン攻撃を「力の行使」として強く非難し、地域のさらなる不安定化を避けるため、直ちに停戦し外交対話で解決するよう呼びかけました。 14

ロシア政府は、在テヘラン領事業務を一時停止し、自国民の退避を開始しています。 16 また、イランの核施設への攻撃による放射能漏れリスクに備え、国境に近い南部ダゲスタンで放射線モニタリングを強化しました。 12 19

米露の「外交摩擦」是正協議が中止に

(6月16日)
在米ロシア外交官への制裁緩和などを目的としていた次回の米露協議が、米側の意向により突如延期(事実上の中止)されました。 21 ロシア外務省のザハロワ報道官は16日、この「外交上のイライラ解消」協議の中断に遺憾の意を表明しました。ウクライナ情勢の影響で、米露関係の改善は依然として困難な状況です。

G7サミットでトランプ米大統領が早期退席、対露制裁巡り溝

(6月16日)
カナダで開催されたG7(先進7か国)首脳会議に出席していたトランプ米大統領は、中東情勢への対応を理由に、16日夜、予定を早めて帰国しました。 24

トランプ氏は出発に際し、2014年にロシアをG8から排除したのは「大きな誤りだった」と述べ、当時の欧米の対応がその後のウクライナ侵攻につながったと主張しました。会議では、欧州各国がロシアへの制裁強化を求めましたが、トランプ政権は追加制裁に消極的で、対露方針の温度差が浮き彫りになりました。

ロシア国防相が北朝鮮を電撃訪問、金正恩氏と会談へ

(6.月17日)
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は17日、プーチン大統領の特使として北朝鮮の平壌に到着し、金正恩総書記と協議に臨むことが明らかになりました。 30 ショイグ氏の訪朝は過去3ヶ月で3度目という異例の頻度です。今回は、6月4日に締結された「包括的戦略パートナーシップ条約」の具体化を協議する目的があり、軍事技術協力や弾薬供給の強化が話し合われると見られています。

ウクライナ「ロシア軍の死傷者は100万人超」と主張

(6月16日)
ウクライナ当局は、開戦から約3年が経過した時点で、ロシア軍の累計死傷者(戦死者と負傷者の合計)が100万人を超えたとの推計を明らかにしました。 33

アメリカの有力シンクタンクであるCSIS(戦略国際問題研究所)も、6月初旬に同様の推計を発表しています。ロシア側はこれを「プロパガンダだ」と反発していますが、欧米の諜報当局もロシア軍の人的被害が極めて大きいとの見方を示しています。

ロシア当局、不動産の現金購入禁止を支持

(6月16日)
ロシアの検事総局は、不動産取引における代金の支払いを現金ではなく銀行送金などに限定する法改正案を支持する方針を表明しました。 36 これは、不動産売買を巡る詐欺被害の多発や、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を目的としたものです。専門家は、不動産市場の透明性向上につながると評価する一方で、短期的な市場の混乱を懸念する声も上げています。


参考文献:引用文献

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