アルト・ミームコイン

アルトコイン・ミームコイン 主要ニュースまとめ【2025年6月7日から13日】

【アルトコイン週次レポート】ソラナETFが牽引する「アルトの夏」への期待 (2025/6/7-13)

2025年6月第2週、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)市場は、ソラナ(SOL)の現物ETF承認への期待感を筆頭に、大きな盛り上がりを見せました。一方で、規制当局の慎重な姿勢や、個別銘柄の内部的な問題も浮き彫りになるなど、光と影が交錯する一週間となりました。この記事では、主要アルトコインの最新動向を分かりやすく解説します。

1. ソラナ現物ETFの申請活発化、“アルトコインETFの夏”到来か

6月13日、フィデリティやフランクリン・テンプルトンなど7社が、ソラナ(SOL)の現物ETF(上場投資信託)に関する申請書類を米SEC(証券取引委員会)の指示に従い一斉に更新しました。 1

これを受け、ブルームバーグの著名アナリストは「この夏はソラナが主導するアルトコインETFの季節になるかもしれない」とSNSで発言。予測市場サイトでは、年内のソラナETF承認確率が90%以上と織り込まれるなど、市場の期待感は最高潮に達しています。 4

ただし、SECは他のアルトコインETFの審査延期も発表しており、依然として慎重な姿勢は崩していません。 6 それでも、過去の事例から数ヶ月以内に承認が下りるとの観測もあり、アルトコイン市場全体にとってポジティブな材料となっています。

2. PayPalがステラ上でステーブルコイン展開、XRPとの競争激化へ

米決済大手のPayPalは6月11日、自社の米ドル連動ステーブルコイン「PYUSD」を、新たにステラ(Stellar/XLM)のブロックチェーン上で展開する計画を発表しました。 8

PayPalは「ステラでの展開により、国境を越えた取引の実用性を高められる」とコメント。ステラは高速かつ低コストなグローバル送金ネットワークとして知られており、今回の動きは、これまでリップル社のXRP台帳(XRP Ledger)がリードしてきた国際送金分野への挑戦と見なされています。 11 大手企業の参入により、アルトコインの実用的な活用が拡大することに投資家の注目が集まっています。

3. 米SEC、ポルカドットやヘデラのETF判断を延期

ソラナへの期待が高まる一方で、他のアルトコインETFの審査は足踏み状態が続いています。6月12日、SECはポルカドット(DOT)やヘデラ(HBAR)、アバランチ(AVAX)、ドージコイン(DOGE)など複数のアルトコインETF申請について、判断を延期すると発表しました。 14

規制緩和を期待させるSECの新体制の中でも、この「のらりくらりとした対応」には市場関係者から不満の声も上がっています。しかし、専門家は「年内から来年にかけて主要アルトコインのETFが一斉に承認される可能性は高い」と分析しており、 17 規制当局の動向が引き続き市場のセンチメントを左右する状況です。

4. SEC議長代行のDeFi前向き発言でユニスワップ等が急騰

6月10日前後、DeFi(分散型金融)関連のアルトコインが軒並み価格を大きく上げました。これは、SECのポール・アトキンス議長代行が「DeFiは金融革新の重要な一部」と前向きな見解を示したと報じられたことが背景にあります。

この発言を受け、分散型取引所の代表格であるユニスワップ(UNI)が約24%高、暗号資産の貸し借りプラットフォームであるアーベ(AAVE)が13%高と、大幅に値を上げました。 18 規制リスクが懸念されていたDeFi分野にとって大きな追い風となり、市場心理の転換点になる可能性が指摘されています。

5. ドージコインが乱高下、ETF観測と著名人の騒動が影響

人気のミームコインであるドージコイン(DOGE)は、今週、激しい価格変動に見舞われました。6月初旬、元米大統領トランプ氏と実業家イーロン・マスク氏の確執が報じられると、DOGEは一時12%以上も急落しました。 22

しかし、その後「DOGEにもETFが承認されるのでは」という思惑が市場に広がり、価格はV字回復する場面も見られました。 25 著名投資家からは「マスク氏が再びDOGEを盛り上げる可能性がある」との声もあり、 30 根強い期待と警戒感が交錯する、ミームコイン市場の熱気を象徴するような動きとなりました。

6. Amazon・Walmartの独自コイン計画に批判、ステーブルコイン規制論が再燃

AmazonやWalmartが独自のステーブルコイン発行を検討しているとの報道を受け、米議会で議論されているステーブルコイン規制法案「GENIUS法」を巡る議論が再燃しました。 32

民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は「巨大テック企業が私的な通貨を悪用しかねない」と厳しく非難。消費者団体からも、独立した事業者が不利な取引を強いられるリスクを懸念する声が上がっています。米国初の包括的なステーブルコイン規制となる同法案の行方に、投資家も注目しています。

7. トロン(TRON)上のUSDT取引量が過去最高に

オンチェーンデータ(ブロックチェーン上の取引記録)から、トロン(TRON/TRX)のネットワーク上での大手ステーブルコイン「テザー(USDT)」の送金額が、5月に過去最大に達したことが明らかになりました。 40

特に、その約59%が100万ドルを超える大口送金で占められていたことから、機関投資家などの「鯨(くじら)」が積極的に利用していることがうかがえます。手数料の安さと処理速度の速さから、TRONは投資家間の大口資金移動のプラットフォームとしてイーサリアムを上回る規模に成長しており、デジタルドル流通の構図が変化していることを示しています。

8. カルダノ(ADA)で財務基金の活用案を巡り対立、価格は一時6%下落

カルダノ(ADA)のコミュニティ内で、約1億ドル規模の財務基金の活用案を巡って激しい議論が巻き起こりました。提案は、DeFiエコシステムを強化するため、財務が保有するADAを売却し、ステーブルコインの流動性供給に充てるという内容です。

創設者のチャールズ・ホスキンソン氏は擁護の立場を示しましたが、ADAの価値が薄まることを懸念する声も根強く、コミュニティは真っ二つに割れています。 49 この騒動を受け、市場は敏感に反応。6月13日にはADAの価格が一時6%以上も急落しました。

9. 新興ブロックチェーン「スイ(Sui)」に売り圧力、一時13%急落

新興のレイヤー1(L1)ブロックチェーンである「スイ(Sui/SUI)」のネイティブトークンSUIが、6月13日に約13%の急落を記録しました。 52

下落の要因としては、初期投資家が保有していたトークンの売却制限が解除されたことや、市場全体の調整局面で流動性の低い新興通貨が売られたことが指摘されています。しかし、心理的な節目である3.00ドル付近では買い支えが入り、下げ止まりました。注目度が高い半面、価格変動が大きい傾向があり、今後の動向が注目されます。

10. 「アルトコインシーズン」到来の兆し?ビットコインから資金循環

直近の暗号資産市場では、ビットコインの独歩高からアルトコインへと資金が循環する兆しが見え始めています。実際に、全暗号資産の時価総額に占めるビットコインの割合(BTCドミナンス)は、この1週間で低下しました。 55

複数のアナリストが「本格的なアルトコインシーズンが始まりつつある」と指摘しており、SNS上でも「#AltcoinSeason」というハッシュタグが増加するなど、個人投資家の期待感がうかがえます。ビットコインが高値圏で一服する中、資金循環によるアルトコイン市場の活況が芽生え始めています。


参考文献:引用文献

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