HYBE本社に家宅捜索?K-POP大手事務所を揺るがす疑惑の真相と影響(5月30日時点の情報)
2025年5月、韓国を代表する大手芸能事務所HYBE(ハイブ)が家宅捜索を受けたと報じられ、K-POP業界に衝撃が走りました。この強制捜査は元社員によるインサイダー取引疑惑に関連するものとされていますが、同時期にHYBE創業者パン・シヒョク議長に関する別の捜査も進行中であり、事態は複雑です。本記事では、この問題の真相、背景にあるとされるHYBE内部の紛争、そしてこれが業界全体に及ぼす影響について、ポイントを絞って分かりやすく解説します。この記事は2025年5月30日朝時点の情報をソースとしています。
第1部: 家宅捜索は事実か? HYBEを巡る複数の捜査
2025年5月27日、ソウル市龍山区のHYBE本社ビルに対し、ソウル南部地検が強制捜査(家宅捜索)を実施したのは事実です。これは元社員A氏によるインサイダー取引疑惑の捜査の一環で、検察は関係資料を押収したと報じられています。 1
A氏はHYBEの前身ビッグヒットエンターテインメント在籍中の2021年1月頃、同社によるYGエンターテインメント傘下YGプラスへの出資情報を事前に入手し、情報公開前にYGプラス株を不正に買い付けて約2億4千万ウォン(約2,400万円)の利益を得た疑いです。 2 HYBEでは2024年にも社員3名がBTSメンバーの兵役関連情報を利用したインサイダー取引で起訴されており、同様の問題が過去にも発生していました。 4
HYBE側は「当局から退社した社員の行為に関する資料提供要請があり協力した」とコメントし、捜査は元社員個人の不正に関するものとの立場です。 7
しかし、これとは別にHYBE創業者パン・シヒョク議長も、2019年末にHYBEが非上場だった時期、既存株主に「上場計画はない」と虚偽説明し、直後に株式上場(IPO)を推進した疑い(資本市場法上の詐欺的不正取引容疑)で警察の捜査対象となっています。 10 警察は5月28日付でこの件に関するHYBE本社への家宅捜索令状を検察に申請したとされ、今後さらなる強制捜査の可能性も報じられています。 11
第2部: 背景に何が? HYBE対ADOR紛争と捜査の深層
一連の捜査と並行して注目されるのが、HYBE内部の経営権紛争です。HYBE傘下レーベルADOR(NewJeans所属)の代表だったミン・ヒジン氏とHYBE本社間で、2024年春以降、経営主導権を巡る激しい対立が表面化していました。 14
発端は2024年4月、HYBEがミン氏に対し「ADOR経営権の不正な奪取を企てた疑い」で内部監査に着手したことです。HYBEは「ミン氏が外部勢力と結託しADORの支配権を奪おうとした」と主張。ミン氏はこれを否定し、「HYBEの別レーベルの新人グループがNewJeansを模倣している問題を指摘したことへの報復だ」と反論しました。 16
その後、HYBEはミン氏をADOR代表から解任し、業務上背任の疑いで刑事告発。 20 ミン氏側は容疑を否認し、法廷闘争に発展しています。警察も捜査を進めており、2025年5月にはHYBE側関係者の聴取を終え、近くミン氏側からも事情を聞く方針と報じられています。 22
今回のHYBE本社への家宅捜索やパン議長の疑惑と、ミン氏との紛争が直接関連しているという公式報道はありません。しかし、パン議長の疑惑が非上場時期の出来事であることなどから、社内対立が捜査のきっかけになった可能性も推測されています。近年のHYBEの急成長の裏で、企業統治(ガバナンス)上の問題が生じていたとの専門家の分析もあります。
第3部: 多方面への影響 ~HYBE本社捜索で何が変わる?
一連の捜査は、HYBE自身、所属アーティスト、K-POP業界全体に影響を及ぼしています。
HYBE自身への影響
経営・財務面では、パン議長の不正取引疑惑報道後、HYBE株価が一時急落しました。 28 最悪の場合、パン議長が起訴されれば企業イメージと信用は大きく損なわれる可能性があります。HYBEはコンプライアンス体制や内部統制の見直しを迫られるでしょう。企業イメージの面でも打撃は避けられず、今後の捜査次第では経営陣の刷新など抜本的な信頼回復策が求められるかもしれません。
所属アーティストとファンダムへの影響
所属アーティストへの直接的な影響は限定的ですが、ファンには動揺が広がっています。BTSのファンからは「メンバーに累が及ばないといいが」と心配する声が、他のグループのファンからも今後の活動への影響を懸念する反応が見られます。特にNewJeansファンは、ミン・ヒジン氏とHYBEの対立を背景に、経営陣への不信感を強めています。
K-POP業界全体への波及効果
業界トップ企業であるHYBEのトラブルは業界全体に影響します。同社株価急落時、他の芸能事務所株も一時下落しました。しかし、「HYBEの失速は他社のチャンス」と捉える向きもあります。一方で、今回の事件はK-POP業界全体のガバナンス問題を改めて浮き彫りにしました。韓国エンタメ企業はオーナー色が強く、内部情報管理への意識が不十分との指摘がありました。今回の捜査は業界全体に「クリーンな経営」を求めるメッセージとなり、各社が内部管理体制の強化を促される契機となるでしょう。
第4部: 韓国国内の世論やSNSの反応
HYBE本社捜索とパン議長の疑惑は韓国でも大きな話題となり、ネット上には様々な反応があふれています。
オンラインコミュニティの声
韓国の主要オンラインコミュニティでは、HYBEに批判的な意見が目立ちます。「やはり裏では汚いことをしていたのか」といった失望感や、「ミン・ヒジンを追い出した報いだ」という声が多く見られました。また、「NewJeansまで巻き込んで何をしているんだ」と憤るユーザーや、「所属アーティストが心配だ」といった懸念も投稿されています。中には「まだ捜査中なのだから断定は早計」といった冷静な意見も少数ながら存在します。
SNS(特にX 旧Twitter)の反応
X(旧Twitter)上でも関連キーワードがトレンド入りし、多言語で意見が交わされました。韓国語圏では「HYBE株価暴落」「ミン・ヒジン勝利」といったハッシュタグも見られました。NewJeansファンからはミン氏を支持する声が多く上がっています。海外ファンからは驚きや動揺の声が目立ち、「アーティストには罪はない」と前向きに受け止めようとするファンも多く、「#ProtectBTS」「#ProtectNewJeans」といったハッシュタグで結束を呼びかける動きも見られました。
総じて韓国国内の世論は、HYBE経営陣への批判・失望とアーティストやミン・ヒジン氏への同情・支持が入り混じった状態です。「真実が明らかになってほしい」「アーティストの活動が守られますように」という願いとともに、今回の騒動はK-POP界に大きな議論を巻き起こし続けています。
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