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リップル(XRP) 主要ニュースまとめ【2025年6月1日から6日】

2025年6月第1週 リップル(XRP) 主要ニュースまとめ

2025年6月の第1週、暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)を取り巻く環境は、訴訟の進展への期待や各国の規制、企業による採用拡大など、重要なニュースが相次ぎました。本稿では、海外で報じられた主要なトピックを整理し、その背景や市場への影響について、日本の投資家にも分かりやすく解説します。

米国SEC訴訟の進展と市場への影響

米国で続いているリップル社(Ripple)と証券取引委員会(SEC)との訴訟は、2025年6月初旬に重要な局面を迎えました。「6月13日にも和解成立か?」との噂が業界内で広まり、XRP投資家の間に楽観的なムードが広がりました。 1

実際、SECとの和解期待を背景にXRP価格は6月初旬に急騰しました。一時約2.25ドルまで上昇し、前日比4%高となりました。6月3日にはXRPが2.19%上昇して2.2458ドルで取引を終えるなど、市場全体が下落する中でもXRPは顕著な強さを示しました。 2

専門家は慎重な見方

しかし、和解観測はあくまで噂の段階であり、公式な合意が発表されたわけではありません。元SEC弁護士のマーク・フェイゲル氏などの法律専門家は、一部SNS上の情報について「事実ではない」と指摘しています。市場には過度な期待に対する警鐘も鳴らされています。 3

SEC側の対応期限とされる6月16日も控えています。この日までにSECが上訴手続きを進めなければ、控訴審が再開される見込みです。 7 法律専門家の間でも見解は分かれており、和解成立を予測する声がある一方で、法廷闘争が長引く可能性も指摘されています。技術的な価格分析では、XRPが現在の2.2ドル前後の水準を維持できるかが焦点です。2.13ドルの支持線を割り込むと、価格が急落する恐れがあるとの見方もあります。

以上のように、米国での法的な状況はXRP市場に大きな影響を与え続けています。訴訟の行方次第で規制上の不透明感が晴れる可能性もあります。しかし、進展によっては価格変動が激しくなるリスクもはらんでおり、引き続き最新情報に注意が必要です。

各国での規制・制度上の動き

米国以外でも、XRPとリップル社を取り巻く規制面で前向きなニュースが報じられました。特に中東での動きが注目されています。

ドバイでのステーブルコイン承認

中東の金融ハブであるドバイの金融サービス機構(DFSA)が、リップル社の発行するステーブルコイン「RLUSD」を公式に承認したことが明らかになりました。 9

RLUSDは米ドルと価値が1対1で連動するように設計されたデジタル通貨です。高品質な流動資産で価値が裏付けられており、第三者機関による監査も受けています。これらの点が規制当局に評価され、その透明性と信頼性が認められた形です。 10

この承認により、ドバイ国際金融センター(DIFC)内でRLUSDを決済手段として公式に利用できる道が開かれました。リップル社は、自社の国際送金プラットフォームにRLUSDを統合することも可能になります。 11 今回の承認は、中東地域でのリップル社ソリューションの採用拡大につながると期待されています。ただし、現時点でRLUSDを実際に採用する企業の数はまだ不透明であり、実用的な需要の拡大が今後の課題とされています。 12, 13

企業によるXRP採用と提携の拡大

2025年6月第1週には、企業によるXRP活用の動きが世界各地で活発化していることを示すニュースも相次ぎました。特に、複数の企業が巨額の資金を投じて、企業財務としてXRPを保有・活用しようとする動きが注目されています。

中国:大手モビリティ企業が3億ドルのXRP準備金計画を発表
中国に拠点を置くグローバル送迎サービス企業「Webus International」は、米国SECに提出した報告書で、3億ドル規模のXRP戦略的準備金(コーポレート・トレジャリー)を構築する計画を明らかにしました。 14 同社は調達した資金でXRPを取得し、自社のグローバル送金・決済に組み込む計画です。 15, 16 この発表を受けて同社の株価は約9%上昇し、市場はこの動きを好感しました。 17, 18, 19
米国:ナスダック上場企業VivoPower社の1億ドル規模のXRP投資
ナスダックに上場する国際電力ソリューション企業「VivoPower International」は、自社のデジタル資産戦略として1億ドル超を投じてXRPを取得する計画を進めています。 20 この取り組みを支えるため、同社は暗号資産カストディ(資産保管)大手のBitGo社と戦略的提携を締結しました。 21 BitGo社は、安全な資産管理サービスを提供し、VivoPower社の大規模なXRP調達を全面的に支援します。 22, 23

これら二つの事例は、企業が財務資産の一部をXRPに振り向ける「企業トレジャリー戦略」の広がりを示すものです。合計で約4億2100万ドル(約600億円)規模ものXRP需要が表明されたことになり、市場関係者は「XRPに対する機関投資家・企業の信頼の高まりを示すもの」と評価しています。 24

国際送金ネットワークへの採用拡大

グローバルな送金・決済ネットワークの分野でも、XRPとリップル社ソリューションの採用が進展しています。特に欧州と南米を結ぶ送金ルートでの新たなパートナーシップが話題となりました。

6月3日の発表によると、ポルトガルの老舗両替・送金サービス会社「Unicâmbio」とリップル社が提携しました。ヨーロッパとブラジル間の国際送金を、より迅速かつ安価に行えるサービスを開始する計画です。 25 このサービスでは、リップル社のブロックチェーン技術とデジタル資産を活用します。XRPおよびRLUSDを用いた送金が可能になります。

オンデマンド流動性(ODL)の活用

特筆すべきは、この提携でリップル社のオンデマンド流動性(ODL:On-Demand Liquidity)ソリューションが統合される点です。ODLは、送金元と送金先の間でXRPを橋渡し通貨として利用します。これにより、送金業者が相手国に事前に資金を準備しておく必要がなくなり、資金効率が向上します。 26 Unicâmbio社の経営幹部は「リップル社は理想的なパートナーだ」と述べ、この提携によるサービス拡充に期待を示しました。 27

今回の提携は、リップル社にとってポルトガル市場への初進出であると同時に、南米への送金需要に応える重要な一歩となります。 28

市場動向と投資家センチメント

上記のニュースに呼応し、6月第1週のXRPの市場での値動きも活発でした。価格はSEC訴訟への期待感を背景に月初から上昇基調となり、市場全体が軟調な中でも相対的な強さを見せました。6月3日には一時2.28ドルの高値を付け、心理的な節目である2ドル台を維持しています。

市場では「XRPが年初来高値に向け再び上昇トレンドに入る可能性がある」との見方も出ています。 29 過去最高値の3.84ドル(2018年記録)の更新も現実味を帯びてくるとの指摘もあります。 30

デリバティブ市場とETFへの期待

市場参加者の動きにも変化が見られました。デリバティブ市場では、XRPの未決済建玉(OI:オープンインタレスト)が急増し、約50億ドルに達したと報じられています。 31 これは、多くのトレーダーがXRPの価格変動に投機的なポジションを取っていることを意味し、近く大きな価格変動が起こる可能性を示唆するものです。 32, 33, 34, 35

中長期的な将来展望としては、SEC訴訟が和解した場合、XRPの法的地位が明確になります。その結果、XRPを基盤資産とするETF(上場投資信託)の承認につながる可能性が取り沙汰されています。予測市場「Polymarket」では、「2025年末までに米国でXRPの現物ETFが承認されるか」という賭けの確率が一時93%に達しました。 36, 37 SECとの和解が成立すれば、機関投資家に対するXRP販売制限の解除や罰金の減額などが実現し、ETF承認の可能性が高まるとの観測があります。 38, 39 ビットコインの現物ETF承認後、価格が大幅に上昇した実績もあり、XRPも同様の恩恵を受ける可能性が期待されています。 40, 41

とはいえ、これらの強気シナリオは前提条件が満たされた場合の予測です。現時点では和解もETF承認も確定しておらず、今後の動向次第でシナリオは変わり得ます。 42, 43 日本の投資家にとっても、世界的な実需の拡大や規制環境の整備は長期的な追い風ですが、短期的には訴訟の行方に左右される局面が続くと予想されます。引き続き最新のニュースを注視し、慎重に判断していくことが求められます。

参考文献:引用文献

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