中東

中東主要ニュース【2025年6月15-16日】

【2025年6月15-16日】中東の主要ニュース：イスラエル・イランの軍事衝突が激化

2025年6月15日から16日にかけて、中東地域はイスラエルとイランの直接的な軍事衝突により、極度の緊張状態に陥りました。ガザでの人道危機も深刻化する中、国際社会は事態の悪化を深く懸念しています。この記事では、この週末に報じられた中東の主要なニュースを分かりやすく解説します。

イスラエルとイランの軍事衝突が激化

6月13日（金）にイスラエル軍がイランの核・軍事施設へ奇襲空爆を行ったことを発端に、両国間で戦闘が勃発しました。イスラエル側は、この攻撃でイランの革命防衛隊の司令官や核科学者を殺害したとしています。これに対しイランは弾道ミサイルで反撃し、イスラエル中部の都市にも着弾、多数の死傷者が出ています。

イラン保健省によると、金曜日以降のイスラエルの攻撃でイラン側の死者は少なくとも224人にのぼります。一方、イスラエル当局もイランのミサイル攻撃により13人以上が死亡、370人超が負傷したと発表しました。 2 イスラエル軍はイラン国内の兵器工場関係者に退避を呼びかけており、さらなる攻撃の可能性を示唆しています。 1

ガザ紛争の人道危機と欧州での抗議デモ

ガザ地区ではイスラエル軍とハマスの戦闘が続き、パレスチナ住民の被害が深刻化しています。6月16日には、ガザ南部ラファ近郊の支援物資受け取り拠点がイスラエル戦車の砲撃を受け、物資を待っていた市民51人が死亡したと現地の保健当局が発表しました。

この人道危機に対し、国際的な抗議の声も高まっています。6月15日には、オランダのハーグやベルギーのブリュッセルで「ガザでの虐殺を止めろ」と訴える数十万人規模のデモが行われました。 5 参加者たちは、欧州各国政府に対し、イスラエルへの制裁や圧力強化を求めています。

イスラム諸国、イスラエルとイランの戦闘停止を要求

中東・イスラム圏の21か国は共同声明を発表し、イスラエルによる対イラン軍事行動を「侵略」と非難するとともに、即時停戦と対話による危機収拾を求めました。アルジェリア、エジプト、サウジアラビア、トルコといった地域の主要国が名を連ね、「武力による問題解決はありえない」として、軍事エスカレーションに反対する立場を表明しています。

シリア新政権、復興と経済再建に着手

2024年末にアサド政権が崩壊した後、シリアでは暫定政権が内戦からの復興と経済再建を本格化させています。6月上旬にはダマスカス証券取引所が約6か月ぶりに取引を再開しました。 8

特にサウジアラビアが新生シリアへの支援を強めており、6月18日からリヤドで大規模なシリア投資フォーラムを開催する予定です。湾岸諸国を中心に、シリアの国際社会への復帰と制裁解除に向けた支援が進んでいます。

トルコ経済、政情不安で悪化し危機的状況

トルコでは、政局の不安定さが経済に深刻な影響を与えています。3月19日にエルドアン大統領の政敵であるイスタンブール市長が拘束された後、トルコ・リラが急落。インフレ率も高止まりしています。 4

欧州復興開発銀行（EBRD）は、トルコの2025年の経済成長率見通しを2.8%へ下方修正しました。中央銀行は為替介入で多額の外貨準備を消費し、投資家心理は悪化。トルコ経済は依然として不安定な状況が続いています。

イラク、イスラエル・イラン紛争への不介入を表明

イラク政府は、国内の親イラン民兵組織に対し、イスラエルとイランの軍事衝突に一切関与しないよう通達しました。スーダーニ首相は、イラクがこれ以上戦場となる事態を避けるため、厳正に対応すると表明しています。周辺国への波及リスクが高まる中、イラクは自国の主権と安定維持を優先し、中立を保つ姿勢を鮮明にしました。 6

ホルムズ海峡近海でタンカー衝突事故、UAEが乗員を救助

6月17日、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡東方のオマーン湾で、石油タンカー同士の衝突事故が発生しました。アラブ首長国連邦（UAE）の沿岸警備隊が現場に急行し、乗員24名全員を無事救助したとUAE当局が発表しました。 16 原油流出などの二次災害は報告されていませんが、この事故は同海域の安全確保の重要性を改めて浮き彫りにしました。

サウジのアル・ヒラル、FIFAクラブW杯に出場

サウジアラビアの強豪サッカークラブであるアル・ヒラルが、米国ワシントンD.C.に到着し、FIFAクラブワールドカップ2025にアジア代表として出場します。アジア・チャンピオンズリーグ（ACL）王者として大会に参加するアル・ヒラルの健闘に、中東地域のサッカーファンの期待が高まっています。

参考文献：引用文献

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