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韓国 主要ニュース【2025年6月14日】

2025年6月 韓国主要ニュース:「3大特検」始動からG7外交、社会・経済の動きまで

2025年6月14日、韓国では政治、外交、社会、経済の各分野で注目すべき出来事が報じられました。前政権の疑惑を追及する「3大特別検察」の始動や、李在明(イ・ジェミョン)大統領のG7サミット出席に向けた動きなど、新政権の重要課題が浮き彫りになっています。また、国内では記録的な豪雨や社会問題も発生しており、多岐にわたる最新動向を分かりやすく解説します。

1. 前政権の疑惑解明へ、「3大特別検察」が始動

韓国国会は今月初め、前政権下で起きた3つの重大事件を捜査するため、「3大特別検察法」を可決しました。特別検察官(特検)とは、政府から独立した立場で特定の重要事件を捜査するために任命される検察官のことです。

捜査対象となるのは、以下の3つの事件です。

  • 尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が関与したとされる「内乱未遂事件」(軍の非常戒厳令準備疑惑)
  • 金建希(キム・ゴンヒ)前大統領夫人の株価操作疑惑
  • 2023年夏に起きた海兵隊員チェ上等兵の殉職事件

李在明大統領は12日夜、国会の推薦に基づき3名の特別検察官を即日任命しました。 1 これに対し、野党「国民の力」は「与党推薦の偏った人選であり、中立・公正な捜査は期待できない」「大規模特検による政治報復だ」と猛反発しています。 2 特検チームは今後数週間で本格的な捜査に着手し、前政権関係者の事情聴取などに乗り出す見通しです。

2. 李大統領、G7サミット準備に注力し「実用外交」デビューへ

李在明大統領は、週明けにカナダで開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)への出席に向け、準備に万全を期しています。昨年末の前大統領弾劾による外交空白を経て、韓国の首脳外交が約6か月ぶりに再開されるこの場は、李大統領にとって初の多国間外交の舞台となります。 3

李大統領は自身が掲げる「実用外交」を推進するため、外交・通商分野の体制を整備。主要財閥のトップらとも会合し、G7で議題となりうる対米通商問題への対応策について意見交換を行いました。サミットでは、バイデン米大統領や日本の岸田首相との初接触が実現するかに注目が集まっています。

3. 汚職疑惑の大統領秘書官が任命5日で辞任、新政権に打撃

李在明政権で今月8日に任命されたばかりの呉光洙(オ・グァンス)大統領室民情首席秘書官が、就任からわずか5日後の13日に辞任しました。民情首席秘書官とは、大統領府で高官の人事検証や世論の動向把握などを担当する要職です。

呉氏には不動産の名義貸しなどの法令違反疑惑が浮上していました。 4 李大統領は辞表を直ちに受理し、「国民の目線に合わない部分があったならお詫びする」と弁明しました。与野党からは「人事検証の失敗だ」との指摘が相次いでおり、発足直後の政権にとって痛手となりましたが、与党は改革課題を遅滞なく進めるとしています。 5

4. 金海空港で旅客機が誤着陸、管制官の機転で大惨事を回避

12日午後、釜山(プサン)の金海(キムヘ)国際空港で、航空機同士が衝突しかける「ニアミス」事故が発生しました。台湾の中華航空(チャイナエアライン)機が、着陸許可とは異なる滑走路に誤って進入したものです。 6

当時、誤進入した滑走路では韓国のジンエアー機が離陸のため進入中でした。しかし、管制官が異変に即座に気づき、ジンエアー機に離陸中止を指示したため、最悪の事態は回避されました。⁶ 国土交通部はこれを深刻な「航空重大インシデント」に分類し、詳しい調査を進めています。⁶

5. 釜山で観測史上最大の豪雨、各地で浸水被害

14日未明、韓国南部を中心に記録的な豪雨が襲いました。釜山では1時間に61.2mmという猛烈な雨が降り、6月の1時間降雨量としては観測史上最大を記録しました。 7

この集中豪雨により、釜山市内では道路の冠水や土砂の流入などの被害が相次ぎました。気象庁は、梅雨前線の影響で今後も大雨が続くと予測しており、各地に洪水警報や土砂災害警戒情報を発令して注意を呼びかけています。

6. 北朝鮮の金正恩総書記、砲弾の生産能力拡充を指示

北朝鮮の朝鮮中央通信は14日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が軍需工場を視察し、新型砲弾の増産体制を強化するよう指示したと報じました。 8 金総書記は「現代戦のニーズに見合う威力の大きい砲弾生産を増やす」よう具体的な課題を提示したとのことです。⁸

この動きは、ウクライナ戦争で砲弾の需要が高まる中、北朝鮮が軍需物資の生産と輸出で影響力を強める狙いがあるとみられています。北朝鮮は昨年からロシアに大量の砲弾を提供しているとされ、今回の指示もロシアへの追加支援を念頭に置いたものとの見方があります。 9

7. 米国が家電向け鉄鋼に高関税、韓国企業に懸念広がる

トランプ米政権は12日、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品に使われる鉄鋼材料に対し、新たに50%の高関税を課す方針を発表しました。 10

過去の同様の関税措置により、韓国のサムスン電子とLG電子が生産拠点を米国に移転し、国内の雇用が失われた経緯があります。¹⁰ 今回の措置も韓国メーカーの輸出競争力に打撃を与えるものと懸念されており、韓国政府は関連企業と緊急会議を開き、世界貿易機関(WTO)への提訴も視野に対応を協議しています。¹⁰

8. ストーカー被害で警護中の女性が殺害される、容疑者を逮捕

大邱(テグ)市で、警察の身辺警護を受けていた50代の女性が、元交際相手の男に殺害されるという痛ましい事件が発生しました。 11

容疑者の男は10日未明、ガス管を伝って女性宅に侵入し、就寝中だった女性を襲撃しました。¹¹ 逃走していた容疑者は、事件発生から4日後の14日夜に市外の山中で逮捕されました。 12 ストーカー被害を訴え、保護措置が取られていたにも関わらず惨事を防げなかったことで、警察の対応に批判の声が上がっています。

9. インドでの旅客機墜落事故に李大統領が哀悼の意

6月12日、インド西部でエア・インディアの旅客機が墜落する大規模な航空事故が発生しました。これを受け、李在明大統領は13日、自身のSNSを通じて「深い衝撃と悲しみに包まれている」と述べ、犠牲者とその遺族に心からの哀悼とお見舞いの意を表明しました。 13

李大統領は「韓国はインドとともにあります」と記し、必要に応じた支援に前向きな姿勢を示しました。¹³ 韓国政府は、今回の事故による自国民の被害は確認されていないとしつつも、国際社会と協力して事故原因の究明などに協力する方針です。


参考文献:引用文献

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