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仮想通貨・暗号資産 主要ニュース【2025年6月15日】

2025年6月15日 暗号資産ニュース:リップル訴訟、各国の規制動向から技術革新まで

2025年6月15日、暗号資産(仮想通貨)とデジタル資産の世界では、規制、市場、技術の各分野で重要なニュースが報じられました。米国でのリップル社とSECの訴訟の進展や、香港、EU、ブラジル、ベトナムなど世界各国での規制整備の動きは、業界の将来を占う上で大きな注目を集めています。以下に、主要なニュースを分かりやすく解説します。

リップル社と米SECの訴訟、和解に向け大詰めか

約5年間にわたるリップル社と米証券取引委員会(SEC)の訴訟が、和解に向けて大きく動きました。両者は、罰金を当初の1億2,500万ドルから5,000万ドルに減額する和解案を共同で裁判所に提出しました。 1

この訴訟は、リップル社が発行する暗号資産XRPが「証券」にあたるかどうかを巡るものです。暗号資産に詳しいジョン・ディートン弁護士は、今回の申立てには説得力が不足していると指摘しつつも、和解が成立する確率は70%程度との見方を示しています。この訴訟の決着は、XRPだけでなく、暗号資産市場全体に法的な明確性をもたらす可能性があるため、業界から大きな注目が集まっています。

トランプ米大統領、独自の暗号資産事業で約80億円の収益

米国のドナルド・トランプ大統領が、自身の暗号資産関連事業で巨額の利益を上げていたことが、最新の財務開示で明らかになりました。 2

トランプ氏は昨年、息子たちと共に暗号資産企業「World Liberty Financial」を設立。同社が発行したトークンの販売により、1年間で5,770万ドル(約80億円)の利益を得たとのことです。現職大統領による巨額の暗号資産利益は、政治とデジタル資産の関わり方を示す事例として注目されています。

香港で世界初の「ステーブルコイン条例」が成立

香港の立法会は、世界初となる「ステーブルコイン条例」を可決し、8月1日から施行すると発表しました。 3 ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計された暗号資産のことです。

この新しい法律により、ライセンスを取得した発行体は、様々な法定通貨に連動するステーブルコインを発行できるようになります。香港金融管理局(HKMA)が発行体の準備資産の管理などを監督し、市場の安定性向上を目指します。香港政府は、この動きを通じて国際的な暗号資産ハブとしての地位を確立したい考えです。

CoinbaseとGemini、EUの包括的規制「MiCA」ライセンス取得へ

大手暗号資産取引所のCoinbaseとGeminiが、EUの包括的な暗号資産規制である「MiCA(Markets in Crypto-Assets)」に基づく営業ライセンス取得の最終段階にあることが分かりました。 4

MiCAは、暗号資産を従来の金融制度と同じ枠組みで規制する、世界でも先進的な取り組みです。Geminiはマルタで、Coinbaseはルクセンブルクでそれぞれライセンス取得を進めており、主要取引所による欧州市場への本格展開が近づいています。これは、業界全体の規制遵守とグローバルな拡大の両面で重要な節目となります。

米SEC、ソラナ現物ETFに「ステーキング」対応を要請か

米国で暗号資産ソラナ(SOL)の現物ETF(上場投資信託)を申請中の資産運用会社7社すべてが、申請書にステーキングに関する条項を追加修正しました。 5 ステーキングとは、暗号資産を保有してネットワークの維持に貢献することで、報酬を得る仕組みです。

この動きは、SECが発行体に対し、ステーキング対応を暗に求めた結果だと報じられています。SECはかつてステーキングに厳しい姿勢でしたが、最近のガイダンス変更により、ETFとステーキングを組み合わせる道が開かれつつあります。今年10月に迫る審査期限に向け、市場の期待が高まっています。

イーサリアム財団、Tornado Cash開発者の弁護費用を支援

イーサリアム財団は、暗号資産の取引の匿名性を高めるサービス「Tornado Cash」の開発者である、ロマン・ストーム氏の弁護費用として50万ドル(約7,000万円)を寄付すると発表しました。 6

ストーム氏は、制裁違反などの罪で起訴されており、この裁判はオープンソースコード開発者の責任の範囲を問う重要な裁判と見なされています。イーサリアム財団は「プライバシーは権利であり、コードを書くことは犯罪ではない」と強調し、コミュニティとして開発者を支援する姿勢を明確にしました。

ブラジル、暗号資産の利益に一律17.5%課税へ

ブラジル政府は、暗号資産の売却益に対する新たな課税ルールを公布しました。 7 これまで設けられていた非課税枠が撤廃され、2026年1月1日からは、個人の暗号資産による利益に対して、金額にかかわらず一律17.5%の税金が課されることになります。

また、自己管理型のウォレット内の資産や、DeFi(分散型金融)での貸し付けやステーキングによって得た収入も課税対象に含まれます。当局は税負担の公平化を目指す一方、投資家からは市場の成長を阻害するとの懸念も出ています。

ベトナム、新法で暗号資産を正式に認可

ベトナムで「デジタル技術産業法」が成立し、暗号資産が法的に認められることになりました。 8 この法律は2026年に施行される予定で、国際的なマネーロンダリング対策の基準とも整合性が取られていると伝えられています。これまで法的な位置づけが曖昧だったベトナムで暗号資産ビジネスの道が開かれることになり、東南アジア地域での普及に向けた重要な一歩となります。

ブラジル証券取引所、ETHとSOLの先物取引を開始へ

南米最大の証券取引所であるブラジルのB3は、イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)の先物契約を6月16日から上場開始します。 9 これは昨年のビットコイン先物導入に続くもので、機関投資家が安全に暗号資産市場へ参入できる環境を整備する動きです。ブラジルは規制の枠組みを整えつつ、伝統的な金融市場に暗号資産を組み込む先進的な事例として注目されています。

ヴィタリック氏、イーサリアムの性能を100倍にする新提案

イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアムの実行環境(EVM)を、オープンソースの命令セットアーキテクチャである「RISC-V」に置き換えるという大胆な提案を行いました。 10

この提案が実現すれば、ネットワークの処理能力が最大で100倍に向上し、取引手数料(ガス代)の大幅な削減や、より高度なプログラムの処理が可能になるとされています。 11 この構想は長期的なものですが、イーサリアムの将来像に関わる重要な技術動向として、開発者コミュニティで大きな議論を呼んでいます。

NFT市場の取引量が週次37%急増

直近1週間で、NFT(非代替性トークン)市場の取引量が37.1%増加し、市場に回復の兆しが見られました。 12 特に、ゲーム特化型ブロックチェーンのImmutable X上での取引が急増し、市場全体を押し上げました。専門家は、この取引量の急増がデジタル資産市場の底堅さを示すサインであり、今後の市場拡大に寄与する可能性があると指摘しています。

フランスで暗号資産トレーダーが誘拐される事件が発生

フランスで、TikTokで人気の26歳の暗号資産トレーダーが誘拐され、5万ユーロ相当の暗号資産を要求される事件が発生しました。 13

報道によると、犯人らは被害者が「2018年からXRP一筋」で、すぐに換金できる資金が少ないことを知ると、身代金の回収を断念。逆に、被害者に1,000USDT(米ドル連動のステーブルコイン)を渡して解放したとのことです。この事件は、有名トレーダーが犯罪の標的になる危険性を改めて浮き彫りにしました。


参考文献:引用文献

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