【2025年6月18-19日】中東の主要ニュース：イスラエル・イラン衝突激化、米大統領の動向に注目集まる

2025年6月18日から19日にかけて、中東情勢はイスラエルとイランの直接的な軍事衝突により、一層緊迫の度を増しています。国際社会が停戦を呼びかける中、米国のトランプ大統領の動向が鍵を握っています。この記事では、緊迫する中東の最新ニュースを分かりやすく解説します。

イスラエルがイラン核施設を攻撃、イランはミサイルで報復
トランプ米大統領、対イラン戦争への関与を明言せず
ロシアと中国、イスラエルの攻撃を非難し停戦を要求
イスラエル国内、イラン攻撃で与野党が団結
イエメン、フーシ派に地域紛争への不介入を警告
シリア、内戦後初のSWIFT国際送金を実施
トルコ、イラン国境の警備を強化
エジプト、戦争長期化による石油高騰を警戒
参考文献：引用文献

イスラエルがイラン核施設を攻撃、イランはミサイルで報復

（2025年6月19日）
イスラエル軍は19日未明、イラン中部アラクにある重水研究用原子炉などの核施設を空爆しました。これに対し、イランは同日朝に複数の弾道ミサイルを発射して報復しました。 ¹

イランのミサイルの一部はイスラエル南部の病院に着弾し、多数の負傷者が出ています。 ³ イスラエルのネタニヤフ首相は「イランの核計画を破壊するまで攻撃を続ける」と宣言。一方、イランの報復攻撃により、イスラエル国内では民間人少なくとも24人が死亡しています。中東地域が大規模な衝突に発展する懸念が広がっています。

トランプ米大統領、対イラン戦争への関与を明言せず

（2025年6月18日）
トランプ米大統領は18日、ホワイトハウスで記者団に対し、米軍がイスラエルの対イラン軍事行動に直接加わるかについて、「やるかもしれないし、やらないかもしれない。誰にも分からない」と述べ、態度を明確にしませんでした。 ¹⁰ ¹²

トランプ政権は当初、外交解決を支持していましたが、イスラエルの攻撃開始後は強硬な姿勢も見せています。大統領は「イランが核兵器を持つくらいなら必要なことをする」と述べ、最終的な判断を保留する考えを強調しました。

ロシアと中国、イスラエルの攻撃を非難し停戦を要求

（2025年6月19日）
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は19日に電話会談を行い、イスラエルによる一連の対イラン空爆を国連憲章違反だと強く非難しました。 ¹⁴

両首脳は「軍事的な解決策はなく、外交的手段で解決すべきだ」との認識で一致し、戦争の拡大に警鐘を鳴らしました。プーチン大統領は、ロシアが仲介役を務める用意があると再度表明しましたが、現時点では当事国から受け入れられていないことも明らかにしました。

イスラエル国内、イラン攻撃で与野党が団結

（2025年6月18日）
長期化したガザ紛争を巡り、深刻な国内対立が続いていたイスラエルですが、政府による対イラン軍事作戦をきっかけに、与野党が足並みを揃える異例の結束が生まれています。 ¹⁹

世論調査では、ユダヤ系市民の83%が核開発阻止のための対イラン攻撃を支持。これまでネタニヤフ首相に批判的だった中道・左派の政治家らも、相次いで協力姿勢を表明しています。ただし、専門家は戦況次第でこの一時的な団結が揺らぐ可能性もあると見ています。

イエメン、フーシ派に地域紛争への不介入を警告

（2025年6月18日）
内戦下にあるイエメンの暫定政府トップである大統領指導評議会（PLC）は18日、反政府武装組織フーシ派に対し、「イスラエルとイランの衝突にイエメンを巻き込むな」と強く警告しました。 ²³

評議会は、フーシ派が攻撃を続ければ、イエメン国民の人道状況がさらに悪化すると懸念を示しています。一方、フーシ派はガザ支援を名目に、対イスラエル攻撃を継続する意志を表明しています。

シリア、内戦後初のSWIFT国際送金を実施

（2025年6月15日）
シリア中央銀行は19日、14年に及ぶ内戦が始まって以来初めて、国際的な銀行間通信網であるSWIFTを通じた直接の国際送金が実行されたと明らかにしました。これは、長らく国際金融システムから孤立していたシリアが、経済的な再統合に向けて節目を迎えたことを意味します。2024年末のアサド政権崩壊後、新体制の下で経済復興に向けた動きが進んでいます。

トルコ、イラン国境の警備を強化

（2025年6月19日）
トルコ国防省は19日、イスラエルとイランの武力衝突を受け、イランとの国境警備を強化したと明らかにしました。 ³⁰ 現在のところ、イランからの難民の不規則な流入は確認されていません。トルコは、自国製の防空システムを配備し、戦闘への備えを高い水準に維持しているとしています。

エジプト、戦争長期化による石油高騰を警戒

（2025年6月18日）
エジプトのマドブリー首相は18日、イスラエルとイランの軍事衝突による影響を監視するための「危機委員会」を発足させました。 ³⁵ 首相は、紛争が続いた場合、原油価格の高騰や燃料供給不足に直面する恐れがあると警鐘を鳴らし、最悪のシナリオも想定して万全を期すよう各閣僚に指示しました。